Quick Start - Tart Virtualization に記載されている通りです。
要件は macOS 13.0 以上となります。
Tart がインストール済みのマシンで、GitHub コンテナレジストリからプレーンな macOS Sequoia 15.1 beta2 の公式イメージを取得します。
tart clone ghcr.io/cirruslabs/macos-sequoia-vanilla:15.1-beta-2 sequoia
Vanilla だとサイズはおよそ 25GB 以内です。
イメージのダウンロードが終了すると、マシンの起動が可能になります。
list で確認できます。
$ tart list
Source Name Disk Size SizeOnDisk State
local sequoia 50 22 22 stopped
run
で VM が実行できます。
tart run sequoia
実行すると新しいウィンドウが開き、仮想マシンの macOS が起動します。かなり起動が早いです。
取得可能な公式イメージはfull list of imageに掲載されています。
ざっくりとした特徴としては、以下の通りです。
tart clone ghcr.io/cirruslabs/ubuntu:latest ubuntu
デスクトップ環境がないので、早いです。 0.9GB だけ
tart run ubuntu
起動するとこんな感じ。
こちらも取得可能な公式イメージはfull list of imagesに掲載されています。
Ubuntu, Debian, Fedora があります。
公式イメージはすべて、
user : admin
passwd : admin
でログイン可能です。
tart ip <name>
で、VM の IP アドレスを取得できます。
公式イメージは SSH 接続ができる状態ですので、
ssh admin@$(tart ip <name>)
で、接続可能です。
あらかた導入ができたら、仮想マシンのカスタマイズを確認しておきましょう。
ストレージサイズは公式イメージは Linux だと 20GB なので、変更の必要性が高そうです。
tart get <name>
で現在の構成を確認することができ、
tart set <name> [ --option ]
で仮想マシンをカスタマイズすることができます。
設定項目は以下の通りです。
Option | Description |
---|---|
cpu | CPU のコア数 |
memory | メモリサイズ (メガバイト単位) |
display | 表示解像度。1200x800 で示す |
random-mac | 新しいランダム MAC アドレスを作成 |
random-serial | 【macOS のみ】 新しいシリアル番号を生成する |
disk | path のディスクを VM に接続する |
disk-size | VM ディスクのサイズを指定したサイズ (GB) に変更 |
tart-cli の注釈
ディスクのサイズ変更は、ほとんどのクラウド対応 Linux ディストリビューションで使用でき、それ以外のディストロでもgrowpart
やresize2fs
を実行することで機能しますが、macOS の場合は回復パーティションを削除する必要があります。
詳細については、Tart の Packer プラグインのソースコードを参照してください。
tart set ubuntu --disk-size 50 --memory 16384
これで作成済みの Ubuntu マシンのディスクサイズを 50GB に、メモリを 16384MB にすることができます。
Docker のような感覚で、用意されている OCI 互換イメージを利用することもできるのですが、やはり、自分で一から作成したいときもあります。
$ tart create --from-ipsw <location> <name>
これだけです。IPSW から直接 OS が作成できるのはうれしいですね。VMWare Fusion なんかは ISO イメージを作成しないといけなかったので。 パスは、ローカルのファイルパスだけでなく、URL も対応していますので、公式サイトのダウンロードページから直接リンクを渡すことが可能です。
ちなみに、
tart create --from-ipsw=latest <name>
とした場合、対応する IPSW ファイルを自動的に取得してイメージを作成します。 この使い勝手は VirtualBuddy と似ているといえそうです。
VM の初回起動後、macOS のインストールプロセスを手動で実行する必要があります。Managing Virtual Machine - Tart Virtualization によると、いくつかするべきことがあるらしいです。
Users & Groups -> Login Options -> Automatic login
Sharing -> Remote Login
Preferences -> Lock Screen -> disable "Require Password" after 5
sudo visudo
を実行し、 %admin ALL=(ALL) ALL
を admin ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
に変更し、パスワードなしで sudo を許可する。Linux の場合は少し手順が変わります。
tart create --linux <name>
で、Linux VM を作成し
tart run --disk <path/to/os.iso> <name>
でインストールディスクをマウントした状態で起動すると、インストール画面が現れます。
そのあとは、必要に応じてVM のカスタマイズをしてください。
SSH の接続はできるようにしておきましょう。
Tart は Apple Silicon Mac 上で高速な仮想マシン環境を提供します。公式サイトによると、GeekBench 5.5.0 では VirtualMac ではホストの 95%程度のスコアをたたき出しているそうです。
CUI での管理と GUI での操作を両立させた使いやすいツールとなっていますので、手軽にデスクトップ環境を使いたい場合は活用してみてください。